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雪が降ってきた。
ついに、冬が始まる。 仮設住宅への入居が終わった地域も、まだこれからの地域も、寒さは一日ごとに厳しくなっていく。ボランティアセンターは、日に日にボランティアの数が減っている。報道も、減っている。 被災地が「閉ざされていく」と感じるのは私だけだろうか。冬の寒さのせいだけではない。 報道が減っても、ボランティアセンターが縮小・撤退しても、被災地での生活は続いていく。 避難所から仮設住宅へうつり、また新たなニーズが上がってくる。 見てみなければわからないことがある。住んでみなければわからないことがある。 ボランティアも、聞かなければわからないことだらけだ。何が必要か、どれだけ必要か、いつまでに必要か。刻一刻変わる現地の状況、天候、ついていくだけで必死で、先読みすることがとても難しい。 住民の方々はごちゃごちゃとした荷物に囲まれて、ほっと一息つくまもなく今目の前にあることを片付けていかなければならない。片付けながらもうすぐそこまでやってきている冬のことを考えなければならない。その後にはこれからの1,2年のことを考えなければならない。さらにその先のことを考えなければならない。 急がなければ、冬はすぐそこまで来ている。 しかし、焦らせてはいけない。 だから、一緒にじっくりと片付ける。一つずつ目の前の事を片付けていく中で、あぁ、ここにこれも必要だね、あれがあったら便利だね、そんなことがわかってくる。 小千谷の仮設で、片付けをしているお父さんの一言に、一瞬言葉をなくした。 「ゆっくりやるよ、時間はいっぱいある。これが仕事だ。他にすることなくなったからな」 鯉をなくし、畑をなくし、田んぼをなくし・・・。 今までは朝4時に起きて8時に寝ていた生活が、突然変わってしまった。 何年も、何十年も続けてきた生活。 山と共に生き、太陽と共に生活し、秋の終わりにある品評会のために丹精込めて鯉を育ててきた。 その全てが、崩れた。 大切なものを失って、楽しみや生きがいがぐっと減ってしまった。 その時間に変わるなにかを見つけ出すことが必要になる。 いや、変わるなにか、というよりも、取り戻すためのなにか、か。 物資は運び込めば終わる。荷物は片付ければいい。 今はばたばたとしているから、考えるより動いている。 この目の前の片付けが終わったとき、本当に必要になってくるのは物ではない。 そのためになにができるだろう。ボランティアとして、何をするべきだろう。 雪に慣れている人だけが、ボランティアとして必要とされているわけではないし、これから必要なのは、雪かきだけではないはずだ。 自分にできる限りのことを、できる範囲で、そして何よりも、必要とされていることを。 一人一人の力が繋がって大きなわっかになるはずだ。暖かい心、忘れないでいる、ただそれだけでもいい。 冬、閉ざされないように。 えり(AVN神奈川)
by 111
| 2004-12-10 00:08
| レポート
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